関節リウマチ
関節リウマチについて
関節リウマチとは原因不明の慢性関節炎により関節の破壊・変形を引き起こす疾患です。
発病原因は不明ですが、関連する遺伝子やウィルス・細菌感染の影響などが注目されています。好発するのは30~50代の女性とされてきましたが、近年は高齢発症の報告が増加しており、高齢発症関節リウマチでは男女差は小さくなっています。病気の初期には滑膜の炎症が主ですが、進行すると軟骨・骨の破壊が起こり関節の変形を生じます。
平成30年7月 厚生科学審議会疾病対策部会 リウマチ等対策委員会 資料より作成
関節リウマチの検査・診断
節リウマチを疑う所見として有名なものは朝のこわばり・多発関節炎・親族のリウマチ歴、などかと思います。関節リウマチを疑った場合、まずは血液検査でRF(リウマチ因子)や抗CCPと呼ばれる自己抗体を調べます。
血液検査の結果のみで診断が決まることはなく、腫脹関節数や、場合によっては超音波やMRIなどの画像検査も併用して診断をおこないます。
したがって血液検査が陽性でも関節リウマチと診断されない人や、血液検査が陰性でも関節リウマチと診断される人もいます。
関節リウマチの治療
以前は不治の病として恐れられた関節リウマチですが、近年では治療法の進歩により治療が可能な疾患となりつつあります。#1
しかし残念ながら、完全に関節リウマチを治癒できる治療法はまだ存在しません。
また、使用する機会の増えてきた生物学的製剤(注射や点滴)やJAK阻害薬(内服)は非常に効果の高い薬剤ですが、必ずしも一つの薬が100%の人に著効するわけではありません。ある薬剤を2~3ヶ月使用し、効果判定の結果違う薬剤に変更するなどしていると、症状が落ち着くまでに半年以上の期間が必要な場合もあります。
日本リウマチ学会では治療のガイドラインを策定しており、基本的にはこのガイドラインに則って治療を行います。
しかし合併症や医療費の問題などガイドラインどおりに治療が進められない場合もありますので、主治医と治療目標について良く相談する必要があります。
#1 平成30年7月 厚生科学審議会疾病対策部会 リウマチ等対策委員会 資料より作成
当院での関節リウマチ治療
朝のこわばりや多発関節痛など、関節リウマチが心配な方はまずご相談ください。必要な検査を行い、正確な診断に努めます。一般的なDMARDSと呼ばれる薬剤での治療(治療ガイドラインでいうところのPhase1)は当院で可能です。
生物学的製剤やJAK阻害剤といった高度な薬剤は、導入前の検査や使用中の副作用に対する対応が困難なため、現在当院ではおこなっておりません。今後は他施設とも協力して対応できるようにしていく予定です。
また転居等で他院よりの治療継続や、自分が使っている薬について大きな病院の外来では聞きにくい、などお困りの事がありましたらご相談ください。できるだけ対応させていただきます。